圧巻の試合内容!オサリバンを押さえての初栄冠:マスターズ 2019 レビュー

スヌーカーのノンランキング・イベントで最大の盛り上がりを見せる大会は間違いなくマスターズです。1月20日に決勝戦が行われ、エリートランカー中で最強のプレイヤーが決定します。

まずは今大会のマスターズのスーパー・クリアランス動画を2つ紹介します。

1回戦のロニー・オサリバン対スチュアート・ビンガム戦より
66点差からの逆転劇

同じく1回戦のニール・ロバートソン対マーク・ウィリアムズより
試合のターニングポイントとなった重要なクリアランス

準決勝まで残ったプレイヤーは以下の4名

ロニー・オサリバン対ディン・ジュンフィは2012年以来のマスターズでの対戦となりました。序盤はオサリバンがフレームカウント4-0とリードしますが、インターバル後からディンがフレームを連取します。そして第7フレーム目に見せ場がやってきます。

スピードを落とした、難しいロングポットからブラック→レッド→ブラックと入れつなげていきます。スコアが加算される度に観客の期待も一層膨らんでいきます。

15個目のブラックと次のイエローのシーンが最大のクライマックスです。会場とロニーのはしゃぎっぷりは見物です。ふと思ったのですが、対戦相手も一緒に、こんなに楽しんでくれるスポーツって他にあるんでしょうか?

なぜここまで普段以上にマキシマムブレイクに期待が寄せられるのかというと理由があります。もちろんマスターズという大舞台だからというのが1つです。しかし、今回はもう一つ、それよりも大きな大きな理由があります。

最新の147達成者はジャッド・トランプが、2018年12月21日に達成しましたが、これがメインツアーで達成された146回目の147だったのです。つまり今回ディンが147を達成すれば、147回目のプレミアム・マキシマムブレイクになるはずでしたが・・・次にお預けですね。願わくはテレビ中継のある試合で達成して欲しいですね。

さて決勝戦は

メインツアーでの対戦成績はこれまでオサリバンの12勝11敗ですが、決勝戦に限定するとトランプの5勝3敗とオサリバンに勝ち越しています。

アフタヌーンセッション、試合は誰も予想できない展開が待ち受けていました。
初めの4フレームをトランプが連取すると、オサリバンもようやく1フレームを奪取します。しかし、この後トランプが3連取し、フレームカウント7-1で前半戦を終えます。

イブニングセッションもトランプのプレーはブレず、ボールを落とし続けます。
オサリバンはセンチュリーブレイクを2回記録しますが、これが精一杯の反撃でした。
結果ジャッド・トランプが初となるマスターズのポール・ハンター・トロフィーを手にしたのでした。

これまで世界ランキングは常にトップクラス入りをしていたトランプでしたが、不思議とトリプルクラウンイベント(UKチャンピオンシップ、マスターズ、世界選手権)には縁がありませんでした。今回の勝利は2011年のUKチャンピオンシップ優勝以来のメジャータイトル獲得でした。試合後、トランプはインタビューで試合全体を通して落ち着いてプレー出来たと話しています。またここ5ヶ月はこれまでに無いほど練習に多くの時間を捧げてきた、とも語っています。

「2011年のUKチャンピオンシップの時は攻撃一辺倒だった」
「今回はセーフティを上手く織り交ぜ、我慢強くチャンスを待って戦えた」

まさに、この発言こそトランプがブレイクスルーを果たした証拠です。
これまでディフェンシブなプレーは二の次で、攻めて攻めて攻めまくるのがトランプの魅力であり、強さであり、また欠点でもあり弱さでもありました。
しかし、今回の血のにじむような練習の結果、見事セーフティプレーも世界トップクラスのスキルを身につけ、ロニー・オサリバンを決勝戦で完全に押さえ込むほどになりました。
恐らく今回の決勝戦はトランプ自身ベストな状態ではありませんでしたが、セーフティを上手く挟み、終始ペースを握っていたように感じました。
オサリバンは最後まで後手に回っていましたね。

このレベルアップした、オールラウンダープレイヤーとなったトランプを止められる選手はいるのでしょうか?
この大会を通して僕が思ったこと、それは

ジャッド・トランプは間違いなく今、最も世界チャンピオンに近い男です。

3ヶ月後、今シーズンの最終戦世界選手権が始まります。今年は成長を遂げたトランプが優勝できるのか、本当に楽しみです。

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