スヌーカー観戦マニュアル 総集編:新たにスヌーカーを観戦する人々へ

先日のリガマスターズと共に2018/2019シーズンが本格的に動き出したスヌーカーのプロツアーですが、これまでリアルタイムで観てこなかったけど、今年こそは全大会を全部観てやるぞと心に決めている人もいるはずです。今回はそんなスヌーカー観戦の初心者達にスヌーカー観戦の必須知識、スヌーカーのルールをこれまでの記事を使って振り返っていきます。初心者向けにまとめたものなのでスヌーカーをよく見ている方は新しい発見は特にない内容となっているのでご注意ください。

観戦マニュアルその1では、スヌーカーとは何かという問いにルールの面からアプローチしました。初めに結論、つまりゲームの目的と終わる条件を提示しました。その目的と条件とは

「スヌーカーとはフレーム終了時に、相手より1点以上または一定の点数以上を獲得した者が勝者となるゲーム」

でしたね。

観戦マニュアルその2その3では、試合に勝つための点数を計算する方法を紹介しました。ここはスヌーカーという競技の中で最も理解しづらいセクションです。
スヌーカーのゲームの流れは、レッドを入れた後カラーボールを狙います。もしカラーボールが入った場合は、カラーボールは所定の位置に戻され、プレイヤーは再びレッド(残っていれば)を狙います。

例えば下記のカイレン・ウィルソンのプレーのように相手に全くチャンスを与えないでトータル・クリアランスをする場合は点数差を考慮する必要はありません。圧勝なので逆転不可能だからです。

しかしこんなスーパープレイは世界最高のプレイヤーでも毎回できるわけがありませんので大抵はもつれた展開になります。

例えばこのような状況です

スチュアート・ビンガムが53点リードしています。テーブル上に残っている点数は51点でロニー・オサリバンが全てレッド→ブラック→(中略)→カラーボール6個を全てポットしても2点足りません(53点-51点=2点)。1回ファールを取れば逆転可能ですが、ここで難しいのはレッドをポットした(入れた)後、ブラック以外のカラーボールを選択すると、テーブル場に残っている点数が少なくなります。
例えばこの状況でレッドの後は必ずピンクを入れると考えます。そうすると
16161623456+7=48点となり
53点-48点=5点となり、先ほどは2点届かないから1スヌーカー状態(逆転するには1回ファールを奪う必要がある)から2スヌーカー状態(逆転するには2回ファールを奪う必要がある)になってしまい、窮地に立たされてしまいます。
このためロニー・オサリバンは初めのレッドを入れた後(動画の1:45)に一か八かで難易度の高いブラックを狙いに行きました。点数差がこれほど離れていない状況だったら間違いなくブラックではなくブラウンを狙うか、セーフティを選択していたはずです。このようにスヌーカーは相手との点数差によって戦略と戦術が変わるゲームなのです。つまり点数差を正しく理解していないと、なぜプロ達がこのような決断をしたのかわからずじまいになり、スヌーカーの一番おもしろい部分を見過ごしてしまう非常に勿体ないことをしてしまいかねません。この理由から点数論がスヌーカーという競技の性格を表す、最も重要な概念だと僕は考えています。

観戦マニュアル その4ではフリーボール、その5ではファールについて説明しています。今思うとその5のファールについて、から読んでもらった方がわかりやすいかもしれませんでした。
スヌーカーのファールは9ボールや10ボールと違い、キューボール(手球)を自由に置いてよいというルールはありません。キューボールがインオフ(ポケットに入ること、スクラッチ)したときだけDゾーン内に置いてプレーを再開できます。
それ以外は現状維持でプレーされますが、ファールをされた側のプレーヤーは複数の選択肢から1つを選ばなければなりません。

1, 相手がファールをした状況の後、その状況を引き継いで自分がプレーする
2, 相手がファールをした状況の後、その状況を引き継いで相手にプレーさせる(プレイアゲイン)
3, レフリーがファール&ミスをコールした場合、ファールする直前の状況に戻して相手にプレーさせる(リプレイス)
4,  レフリーがフリーボールを宣言した場合、カラーボールをノミネートしてプレーできる

最大この4択の中から選べます。
どれを選ぶかはその時の点数差やテーブル上の配置、相手のその日の調子などなど、ここでも選手達の駆け引きが表れます。この選手はどういう意図でこのうちの1つを選択したのかなど考えて観戦すると選手の個性がわかってきます。

ざっとルールのおさらいをしてきました。もっと突っ込んだ細かいルールは個別の記事で確認してもらえればと思います。

さてルールを確認したところで明日からは中国でワールド・オープンが始まります。時差も日本と比べてもほとんど無いので、観戦しやすいですよね!
ルールをしっかり把握すれば選手達の魅力にも気がつき、より楽しくスヌーカー観戦ができると思います。

それでは今シーズンも楽しいスヌーカー観戦ライフを満喫しちゃいましょう!

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