最多優勝記録更新!最高のパフォーマンスで勝ち取ったトロフィー : ウェルシュ・オープン 2018 レビュー

毎年2月末から行われるランキング・イベント、またホーム・ネイション・シリーズの最終戦となる大会といえばウェルシュ・オープンです。首都カーディフで行われた大会ではどのような出来事が起こったのでしょうか。

ディフェンディング・チャンピオンのスチュアート・ビンガムはLast 32で敗れてしまいましたが、それ以外にもショート・フォーマットゆえ、トップランカーのほとんどが大会序盤で姿を消していきました。

その中で今大会、いえ今シーズン最も不可解な敗北を喫したのはニール・ロバートソンでしょう。

 


なんとこの試合ではゲーム開始から112球ポットを連続で成功させました。センチュリー3回を含むポットサクセスレート99%を記録しましたが、対戦相手のイアン・バーンズに敗れるという事件が起こりました。1球ミスをしただけで負けてしまうとはなんとハイレベルなゲームでしょうか。残念ながらロバートソンは勝利の女神に見放されていましたね。

そしてウェールズの象徴、マーク・ウィリアムズは相変わらずワンハンドでプレーしております。

大会の決勝戦に上り詰めたのは、絶好調ロニー・オサリバンが最大のライバルと認め、連勝を妨げられた”The Wizard of Wishaw”ジョン・ヒギンズと

準決勝戦で来日経験のあるタイの有望株、ノッポン・センカムを破ったバリー・ホーキンスでした。


アフタヌーン・セッションのオープニング・フレームはタクティカル・バトルで始まりました。終盤のカラーボール・ゲームは両者ハイレベルな応酬でした。超難球のブラックを沈めたホーキンスがアドバンテージを得ます。続くフレームではヒギンズが138点のトータル・クリアランスですかさず追いつきます。
第3フレームでは68点差からホーキンスが逆転しますが、続くフレームではヒギンズが141点のトータル・クリアランスでフレームカウント2-2と戻します。

第6フレームではホーキンスが130点のブレイクを記録しリードしますが、第7、8フレームではヒギンズが連取して、フレームカウントは4-4で後半戦へ向かいます。

イブニング・セッションでは初め複雑な局面が2つ続けて起きますが、世界一のスヌーカーブレインを持つヒギンズがこれを処理します。振り返ってみると、この試合を通してヒギンズの戦術、戦略的プレーは見事に功を奏していました。まさにお手本のようなゲームメイキングでした。これのおかげでホーキンスは逆転の芽を何度も摘まれていました。

しかし、ホーキングも負けてはいません。第11フレームでは103点、第12フレームでは138点のセンチュリーでフレームカウント6-6とまたしても並びます。

第14フレームはこの試合のターニングポイントとなりました。ジョン・ヒギンズが1フレームリードしていましたが、このフレームでホーキンスはラストピンクを外してしまい、追いつけるゲームをヒギンズに渡してしまいました。これで2フレーム差でさらに、優勝へ王手をかけられてしましました。これにめげず次を82点のブレイクで返しますが、第16フレームでの64点のブレイクが決め手となり、ジョン・ヒギンズが史上最多となるウェルシュ・オープン5度目の優勝そしてレイ・リアドン・トロフィーを手にしました。

ヒギンズは2000年、2010年、2011年、2015年、2018年と優勝しています。初優勝が18年前で今なおトップクラスに存在しているというのは驚異的ですね。
ちなみに今シーズン限定のランキングポイント順位は

1位 ロニー・オサリバン
2位 マーク・ウィリアムズ
3位 ジョン・ヒギンズ

となっており、この75年三羽烏の存在感は依然として健在です。

 

 

話は変わりますが今シーズン、ここまでバリー・ホーキンスはずっと不調でした。現在世界ランキング7位ですが、今シーズンのランキングでは、この大会前は40位あたりでした。なぜこれほどまでに不調だったかというと、どうやら私生活に問題があったようです。


事件は昨年の世界選手権後に起こりました。それまで体調が悪かった妹の旦那さんが復調し快方に向かっていたと思った矢先、8歳になる双子を残して突然自殺をしてしまったそうです。そのせいでバリー・ホーキンスはスヌーカーに集中できる環境を失ってしまったと言います。試合中も妹や残された子供たちのことを考えると、とてもじゃないがきちんとスヌーカーと向き合える状態ではなかったそうです。今ではようやく時間が解決してくれたようで、なんとかゲームへの集中力を取り戻してきたと前向きな発言をしています。今回の好成績を皮切りに悲しみを完全に乗り越えてシーズン終盤戦で好成績を残してもらいたいですね。

水曜日からはジブラルタル・オープンが始まります。全試合ベスト・オブ・7のショート・フォーマットの大会なので誰が優勝するのか予想がつかない楽しみな大会です。

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