スヌーカー観戦マニュアル その3:点数論 シチュエーション別

今回はゲームの終盤、点数差が重要度を増すカラーボールゲームに焦点を当てた状況を考えていきます。

スヌーカーの特徴は「点数差によってショットセレクションが決まる」という事はこれまでしつこく言ってきました。
ここでアメリカン・プールの9ボールを例に比較してみましょう。9ボールの場合的球を入れてはいけないシチュエーションは、次の的球にポジションできないときだけではないでしょうか。他の的球に囲まれるトラブルができており、目の前の的球からそれを解消するすべがなく、ファールを犯さざるを得ない場合などです。

次にポジションできないという状況ではスヌーカーも同じようにポットするのが得策ではない状況の1つです。
では残り2球、ピンクとブラックがそれぞれのスポットにあり、キューボールはトップコーナーのポケットと中間にあるとします。(図1)

 

図1
図1

この場合あなたはどういうショットをするでしょうか?
結論が出たら下へ進んでください。

 

 

 

 

 

 

 

答えは、ひねくれた解答と言われそうですが、状況説明がされていないので答えられない、です。
この場合、自分が点数でリードしているもしくは、13点差以内で負けている場合はこの2球を取り切るのが正解です。
もし自分が負けていて、かつ点数差が14点差以上ある場合は絶対にセーフティに行かなくてはいけません。ピンクを入れた瞬間に負けが確定するため、ポットするという選択は最悪の決断になります。

このようにスヌーカーはどのようなショットをするかという決断は点数差を考慮しなくては絶対に判断できません。9ボール等と違い、的球の配置だけでは決断できず、必ず初めに点数差を考慮しなくてはいけないという理由がここにあります。

逆に、点数差で勝っていてさらに相手がスヌーカー(ファールをしなければ逆転勝ちできないほど点差がある場合)が必要な場合、リードしているプレイヤーはファールさえしなければいい訳なので、テーブルに残っている的球を減らしに行く状況(わざと相手に入れさせるように仕向ける)がよく見られます。
ポケットに届くかどうかの弱い力加減のショット(デッドウェイト)です。穴前に残った場合、負けているプレイヤーは的球をポットしないようにしなくてはならず、加えて的球のコースが限定されてしまうため、ここから持ち直すのはかなり難しいのです。トッププロ達でもこの状況に陥ったら挽回することは至難の業です。
ここでマーク・セルビーがその状況に追いやられたシーンを観てみましょう。

惚れ惚れする逆転劇ですね。ライアン・デイがピンクを穴前に残したときはもう逆転は不可能かと思われましたがここから完璧なセーフティを決めました。セルビーだからこそできたプレーですね。

 

次に狙えるカラーボールが限定される場面を考えてみます。
現在、太郎と花子がゲームをしています。点数は60-20で太郎が40点リードしており、テーブル上にはレッドが2つ(43点)残っています。この時、太郎がミスをして花子に回ってきた配置が以下の図2です。

図2
図2

さて、普通に考えるならレッドを入れて、一番近入れやすい穴前のグリーンにポジションをして・・・と考えたいところですが花子は考えます。
まず点数差は40点、テーブル上の点数は43点であるからスヌーカーはついておらず、ファールを取りに行く必要は無い。しかし、ここでレッドグリーンレッドブラック→カラーボールと取りきった場合、1+3+1+7+27=39点となってしまい最終スコアは60-59となり、1点届かず負けてしまします(ファールを取れば逆転可)。したがって、この場合はレッドから繋がるカラーボールの点数が合計12点以上でなくてはいけません。
その組み合わせは

ブルーブラックブラックブルーでも可)=12点
ピンクピンク=12点
ピンクブラックブラックピンクでも可)=13点
ブラックブラック=14点

の4通りになります。

つまり
●(ブラックブルーは逆も可)

●(ブラックピンクは逆も可)

の組み合わせだと必ず41点以上になるため、ファールを奪わずに逆転が可能になります。

このようにゲームの終盤、点数差によってはポットできるボールが限られてくる場面も多く見られます。これもしっかりと点数差を考慮したプレイをしなくては見落としてしましがちな部分です。

では最後にこのカラーボールが限定された状況下でのゲームを見てみましょう。

ジョン・ヒギンズがマキシマムブレイクを出す勢いでプレイしていますが72点を獲得したところでミスをしてしまします。テーブル上には75点残りです。
カーターは1度でもレッドの後にボークカラー()を入れたら逆転できません。ブルーは2回、ピンクは3回以上使ったら同様に逆転できないという追い詰められた絶体絶命の状況です。この逆境から、キャプテンはピンクを2回、ブラックを4回とカラーボールクリアランスを成功させ73-72で大逆転勝利を実現させたのでした。

このように、わずかなポジショニングのミスも許されない、プレッシャーのかかる場面でクリアランスをしたカーターのメンタルには脱帽ですね。

まだ点数計算に慣れていない人は素早く計算し、必要なカラーボールを導き出せるように練習をしましょう。
最後のピンクを入れたときに
計算をミスして、実は点数が足りませんでした・・・
は凄く恥ずかしいので笑

 

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